奉ればいい
今日は夫の晴れ舞台。奉納の舞をご披露するのだ。なんだか30キロもする鎧をまとって踊るので、軽やかさも素早さも見られない。not エグザイル。not KARA。
こんな事が嫁ぎ先にばれたら、正直私の今後の嫁人生は危ぶまれる。
緩やかに、そして山場もなく、穏やかに舞う。重い鎧を腰痛持ちの妙齢の男性が身に着けて動き回るのだから 生暖かく見守ってほしい。
そんな生暖かい気持ちで今日も夫を見守っていた妻。
隣にいた中学生らしき集まりの会話が耳に入ってきた。
「4番目に入場した人の鎧 まじかっけぇ!」(夫は1番目である)
「オレは2番目の赤い仮面の人かっけぇとおもう!」(夫は黒い仮面である)
「うぇ!一人で先に踊り始めた人、棒投げた!ポイ捨て禁止!」
「ポイ捨てした上に、足で端に寄せたぜ!!」
その・・・ポイ捨てした挙句、足で棒切れを端に寄せた人の妻こそ、君達の隣にいるオバさんなんだよ・・・
と 言いたい気持ちも 同調したい気持ちも表すことが出来ず、夫の踊りに集中することも出来ず、舞台のふもとでダイナミックなポージングを取る童子を見ておった。
子どもの感性、少年達の感想は、大人の事情を知るもの達の思考からは遥かに想像を超える発想で、観察する分には大変面白いものであった。
・・・そうか・・・・ソロパートがあるからといって、人気があるわけではないのだな・・・