辛ければいい
辛いものが食べたい。「つらい」ものではない。「からい」ものである。普段辛いものは食べられないし食べたいとは思わない。辛いものは苦手である。が突如として激辛な何かが食べたくて仕方が無いのである。もう一度言う。辛いものは普段苦手である。
夫婦ともども辛いもの苦手なので、妻が「辛いものが食べたい!」と夫に熱望しても華麗にスルー。
昼間カレーを食べたのに夕飯も「辛いものが食べたい!」と所望。もちろん却下されてしまったので焼きそばをチマチマ炒める。が、辛いものがどうしても食べたい妻。別鍋に豆板醤とネギと何か辛そうな感じに炒め自分の焼きそばに絡める。
もちろん夫には通常焼きそばである。夫曰く、妻の焼きそばは ナポリタンのようであったと。
一口味見をした夫は、もんどりうっていた。そのくらい辛いのだ。からくて つらい味なのだ。
しかし味覚が狂った妻は、「からい!からい」言いながら食べきった。美味かった。自分でもどうかしていると思うが、何故だかわからないのだ。
よく 疲れていると甘いものが欲しくなるとかいうが、辛いものが無性に欲しくなるときは一体何たることなのか?
理解不能な出来事である。