pisello

グウタラ妻兼うっかりOL徒然記

うっとりすればいい

極まれに夫は踊り子と変身する。どうやら無形文化財だか重要文化財だかで年に一度寺の境内で踊るのだ。何とか舞楽とかいう。今年はまだ無形文化財だか重要文化財だかの踊りの時期ではないのだが、どこぞかの偉い教授さんがその無形文化財だか重要文化財だかの研究をされておって、本日講演会を開くことになっていたのだ。
その実演として夫は今日踊り子になったのだ。

妻はそんな夫を遠くのほうから心の中で声援を送ることにした。どんな形であろうと夫の晴れ舞台には変わらないので、いそいそと実演だけ観に行く。「いそいそ」という割には遅刻をし、夫のソロパートを拝むことは出来なかった。舞楽も無事終わり義父にニヤニヤと挨拶をし楽屋にずうずうしくも乗り込む。夫の他多数が着替えをしている中ボソボソと「妻です。(痴漢ではないのです)」と挨拶にも満たない挨拶をし居場所に困る妻。
夫他多数が片づけをしたり着替えをしたり慌しいのでイヨイヨ居場所がなくなってきたので、タイミングを計って退散。結局妻らしいことも嫁らしいこともせずに自宅へ戻り、これまた手抜き料理のインスタントラーメン。

夕方疲れ果てて帰ってきた夫に出したゴハンも、インスタントラーメン。妻として人間としてどうかと思うが、ソレを寛大に受け止めてくれる夫は本当にいい人である。